EC広告の効果と効能(楽天市場ECCと広告について話した事)
楽天市場ECCと広告について話した事
弊社店舗、最近集客が大きく落ち込んでいます。
そこを補填すべく、広告を利用し何とか売り上げを確保するのですが当然運営費がかさみます。
そんなこんなで、楽天市場の広告についてECCさんと話したことを備忘録にまとめます。
楽天市場で広告商品はクリックされるのか
ECC曰く、一時期と比べるとクリック率は改善されたとの事でした。
その一時期とは、広告で上位に来ている商品にbackground-colorが適用され【明らかに目立っていた】時との事。
現在では小さく【PR】との文字が入るに留まり、商品名や画像よりも目立たない状態で表示されています。
※PCでもスマホでも同じです。
こういった改善により、クリック率は上がっていると言う事でした。
これは逆に捉えると、RPP広告の費用消費が早いと言う事でもあります。
「アイテム数や商品にもよりますが、おおよそ【1万円/日】見て頂ければ」
おいおい、1か月30万かい!
そりゃさすがに経費倒れになりそうでキツイ。
と言うことで、損益分岐について聞いてみました。
RPP広告の損益分岐点をどう考えているか
ROASで400%行くと広告を出しながら店舗を動かせるとして設計しているそうです。
こんな説明書き書いてありますよね。
1万円の広告に対して、4万円の売り上げが上がった場合、ROASは400%となります。
この時【店舗内の全商品が対象】なので、広告で集客した人が別の商品を購入しても売上集計に加算されます。
さて、400%が現実的か否かは一旦おいて置き利益率とROASから算出した利益額を表にまとめてみます。
■広告費1万円の時の推定粗利額
ROAS | 利益率 | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
10% | 15% | 20% | 25% | 30% | 35% | 40% | 45% | 50% | |
50% | -9500 | -9250 | -9000 | -8750 | -8500 | -8250 | -8000 | -7750 | -7500 |
100% | -9000 | -8500 | -8000 | -7500 | -7000 | -6500 | -6000 | -5500 | -5000 |
150% | -8500 | -7750 | -7000 | -6250 | -5500 | -4750 | -4000 | -3250 | -2500 |
200% | -8000 | -7000 | -6000 | -5000 | -4000 | -3000 | -2000 | -1000 | 0 |
250% | -7500 | -6250 | -5000 | -3750 | -2500 | -1250 | 0 | 1250 | 2500 |
300% | -7000 | -5500 | -4000 | -2500 | -1000 | 500 | 2000 | 3500 | 5000 |
350% | -6500 | -4750 | -3000 | -1250 | 500 | 2250 | 4000 | 5750 | 7500 |
400% | -6000 | -4000 | -2000 | 0 | 2000 | 4000 | 6000 | 8000 | 10000 |
450% | -5500 | -3250 | -1000 | 1250 | 3500 | 5750 | 8000 | 10250 | 12500 |
おいおい、400%が損益分岐って利益率25%のっけてないとダメじゃん。
大まかではありますが、原価から×1.3334で推定粗利が25%になります。
通販屋で多い利益率は15%程度(知人調べ)らしいのでコレで計算するとROAS700%程度無いと損益分岐に来ません。
と言うことで、多くの店舗では『広告で売上と利益を伸ばそう作戦』は成立しないと結論付ける事が出来ます。
RPP広告の考え方
広告を使いながら利益を獲得する事が難しい以上、別の目的に活用できない限り広告は有効な手段ではありません。
具体的には以下の考えが可能かが【鍵】となります。
- リピート率の高い店舗 ⇒新規顧客の獲得
- リピート率の低い店舗 ⇒商品に力を蓄える
■リピート率の高い店舗の場合
初回購入は後につながる利益の導入です。その為、広告費をその為の経費として考える事が出来ます。
サプリメント屋さんとかギフト屋さんとか下着屋さんなんかもリピート率が高いそうです。
リピートで収益を上げるため初回は損失計上できる。
広告が利益に直結してくるというのは羨ましい限りです。
■リピート率の低い店舗の場合
残念ながら弊社の店舗はこちら側に属します。リピート率で5%程度。
それでも(数量を即納できる為)BtoB購入が多く同一ジャンル内ではリピート率が高い方なのだそうです。
弊社のようなリピート率の低い店舗の場合、広告の効用は商品の力を付ける為にのみ作用すると考えます。
現在の楽天市場の検索アルゴリズムでは【売れている商品がより上位に表示】される設計となっています。
『広告を使い商品の販売額をかさ上げする事で通常検索でも上位表示されやすいようにする』という作戦です。
この作戦、長く続けるだけの体力が必要になります。
う~ん、しんどい…。
広告は出すべきか
単純に利益を獲得しようと考える場合、どんな広告でもメリットは薄いと考えられます。
何故なら、楽天市場さんの頭の中では店舗の利益率は25%以上(多分35%程度)でと考え設計しているからです。
現実と乖離している以上、どんな広告でも損益分岐点を超えた利益を上げる事は難しいでしょう。
※ただし、利益率が楽天市場設計以上であれば話は別です。
広告によって生じる副産物(リピーターの種や商品力の向上)に目を向ける事が出来る場合は出稿を検討しましょう。
弊社の様にリピートが少なく商品が2年おきに廃盤となり入れ替わる様な店舗の場合は広告との相性は最悪です。
※商品に力を付けてもその商品がすぐ無くなってしまうので旨味が薄い為
まとめ
- 広告を利用して損益分岐をクリアするためには利益率で35%程度必要
- その為、広告で利益が上がるとの考えは捨てた方が良い。
- 広告の是非は副産物で判断しよう
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