楽天市場で【アクセス数急増】が発生した面白い事例

楽天市場で【アクセス数急増】が発生した面白い事例

楽天市場で【アクセス数急増】が発生した面白い事例

今回、店舗運営で「?」と思った事例を備忘録として記します。
起こった症例はタイトルの通り【アクセス数の急増】です。

但し、この症状は長く続くものではないので根本解決には至りません。
でも「キッカケ」を作る事は出来るかなと考えています。

全商品の情報を更新したらアクセス数が3倍になった

システムでの提示自動更新を組んだものの、出店プラン変更をしてから動かすことができなくなっていました。
で、久しぶりに全商品に対して更新を掛けた結果がコレです。

やったことはただ全商品の更新をしただけ。
面白くないですか?

約半年間更新が出来なかった理由

理由は2つあります。

  1. プラン変更による楽天cabinetの『1フォルダあたり登録数の変化』とこれによる画像の更新不良
  2. アイテム数が多い事による保存ルール再編の手間増加

丁度別件のシステムのお仕事が数件入ったこともあって自店舗後回し状態が続いていました。
が、気づいたらもう最終更新から6か月程度経過…。
こんな理由で『商品情報の更新なし』状態が長く続く事になってしまいました。
店舗管理者としてはあるまじき行為ですね…。
で、そのお仕事の終わりが見えてきたので画像の保存ルールを修正して画像の移動とアップロードをしたのです。

今回更新した内容

  • 商品情報:画像URLの変更
  • 商品画像:Cabinet内フォルダ構成の変更
  • 商品画像:画像の移動(新ルールに従って移動)
  • 商品画像:不要画像の削除

画像Cabinetの変更がメインで、商品情報側では画像URLの変更のみしか行っていません。

画像URL変えただけ。ほんとそれだけ。

狭間で起こっていたちょっとした失敗

でも焦ったんですよ。
楽天cabinetの画像移動して、他の仕事の必要性が出てきて放置して画像URL変更忘れまして、翌日どの商品見ても画像が真っ白という…。

速攻で午前中の内に画像URLをルールに合わせて変更して、更新実行。
結果が商品情報を更新した日に限ってアクセス数3倍というモノです。

日別アクセス数は翌日には元に戻っていた

この現象、そのまま継続するかと期待したのですが、翌日には通常運転に戻ってました。
残念ながら効果があっても1日限定のモノと言う事ですね。

増加したアクセス数の構成を分析

最近は分析系のシステム作りのお手伝いが多いので、私もデータ解析が面白くなってきています。
なので、今回のアクセス数増の構成を色々な角度から調査してみました。
その結果が下です。

  1. 一番集客している商品のアクセス数が10%UP
  2. 2回以上アクセスされた商品の数は増加前後と全く変わらず
  3. アクセスされた商品の総数が大幅増(20%増)
  4. コンバージョン率の上昇(1.0%増)
  5. 客単価は大きな増減なく変わらず

現状のウチの店舗はまだまだCVの低い店舗です。
システムづくりに機軸を置いてたのでLPづくりの暇なかったんですよ。
なので、商品ページには『基本情報(テキスト)』『商品画像(基本サムネイルのみ)』というのがほとんどです。
元々のCVが低いのはこれが原因だと思うのですが、そんな状態でも1.0%の増加。当然売り上げも増加です。

こうなると、次やらなきゃいけない事見えてきて面白いですよね。

店舗の課題を明らかにするために必要な事

私には全体のアクセス数から自店舗のアクセス数を計る事はできません。
コンサルタントではないので、周囲の店舗情報を持ち合わせておらず「判断できない」からです。
それでも、自店舗の中の情報を収集する技術とそれをDBに突っ込んで解析するツール作成の能力程度は持ってます。

こう言った分析事を出来ていない店舗さんは多いのだろうなと思います。
何故かと言うと『モールから提供される分析データが多岐にわたり、CSV提供無しのデータもあるから』です。
なんと不親切な。

例えば、集客が急増したらその理由や「何が増えたか」を知りたいと思うのが必然だと思います。
でも、このデータを取る為にどの角度のデータを収集すればよいかがわからないんです。
キーワードデータなのか、商品別集客データなのか。

答えは全部。

全部見て分析しないと片手落ちになってしまいます。
でもこれを揃えるのが超大変だったりするわけです。
専業のスタッフがいれば別ですけどね。

私もプログラミングのスキル無かったらきっと無理だったと思います。

ウチの課題は集客力。でも先手を打つ対策は特定商品のCVアップ

今回の件で改めて実感したのは店舗の集客力の無さ。

だって更新しただけで簡単にUPしたアクセス数でCVまで上がっちゃうんだから集客上がればCVも上がるって事でしょ?

 じゃあ普段のCVが悪いのは何故? 

答えは、集客の多い商品のCVが悪いから。
集客メインが売り上げメインになっていない訳です。

となれば、まず採用するのは集客メイン商品のCVアップをどうするかですよね。

CVの低い理由を探る

CVが低い理由を大別すると3つになると思います。

  1. 集客した人がそもそも商品の購買層とマッチングしていない
  2. 他店売価と比較すると顧客メリットがない
  3. 商品情報不足や購入の後押しがない

集客した人がそもそも商品の購買層とマッチングしていない

これはアフィリエイトをメイン集客とすると起こる可能性があります。
アフィリエイトの中には良いものと悪いものがあり、後者はクリックする事でポイント付与などの特典を与えて「クリックさせる仕組み」を構築しています。

確かに集客数は増えるのですが、元々自分のポイント取得のためのクリックで購入する気はサラサラない訳です。
なので、アクセス数が増えてもCVは下がる場面が多くなることでしょう。

こういう所に資金を投入する心情が私にはわかりませんが、実行している店舗さんは『アクセス数増による自然検索時の加点』狙っての対策なのだと思います。

他店売価と比較すると顧客メリットがない

LP作成の外注さんが多いため、ついつい見落としがちになってしまうのがコレです。
「コンバージョンが悪いのは商品の良さを伝えきれていないからです。ページ作り込みをしましょう。」
(作り込み出来てないので)私も良く言われます。

でも「お客様って、モールを跨いだ価格検索してますよ?」と思うわけです。
商品Aと商品B、違う商品の比較の場合はLPが大切になってきます。
相手の商品より自社の商品が勝っていると伝えなくてはお客様の判断は表に出ている情報(主に価格)で決まってしまいます。

さぁ、商品Bが勝っていると説得できました。
この後お客様のとる行動は?

モール内検索/Google検索/Amazon閲覧などで価格サーチをする

今はこれが当たり前です。
商品が同じならどこで買っても届くものは同じ。だったら自分にメリットのある方で購入しようと思いますよね。

ここら辺が、今後自社店舗が伸びてくるであろう理由になります。
だって、モール売価より1割程度は自社店舗で値下げできるでしょ?

商品情報不足や購入の後押しがない

見て頂いても商品の情報が皆無だと滞在時間が極端に短い離脱が増えます。
他店で情報を得て価格だけ目当てに飛び込んできたのなら別ですが、そうでない場合はまず決定に至りません。
なので、最低限必要なデータが揃っていない状況では商品別CVは0%となるはずです。
まぁ論外なのですが…。

考えなくてはいけないのは、LPは加点対象であって減点対象ではないと言う事です。
減点対象はサイズや重さ等の最低限の情報の存在。
そこから先の情報(画像点数やLP)は購入の後押しとして機能します。
無ければ『通常の商品の魅力度』でCVが決まり、あれば上乗せできると考えます。

ウチの店舗の場合は?

現状で考えると項目3の基本情報は満足する商品が増えてきました。LPなどの上乗せ情報は極端に少ないです。
なので、通常の商品の魅力のみで販売していると言えます。

その状態で、商品情報更新してアクセス数とともにCVまで上がると言う事は『集客している商品がダメすぎる』と解釈できます。
思い当たる節は3点

  1. 売価5000円なのに送料は別途かかる(39ショップ登録してないので送料が課金される事の嫌悪感で離脱している)
  2. 他店売価(他モールの売価)と比較して高い(Amazonで5600円で販売されてました)
  3. ライバル商品と比べて後押し情報の量が不足している(商品比較で負けている)

取り合えず、楽にできるところから修正。
価格を送料込み5500円に変えてみました。
さぁこれでどう動くか。

まとめ

良いものも悪いものも『変化』を検知できると、そこから得られる情報が実に多くあります。
でもこういった分析行為は手元にどれだけ情報を集めて横断的に評価できるかがポイントとなってきます。

忙しい中で収集が大変な時に取る対策は『自動化』の一択でしょう。
ウチもこの情報収集の自動化を行っていたため今回の異常検知が出来ました。

いやぁ、店舗運営ってホントやること多いですよね。