物流コストから売れる商品を考える

物流コストから売れる商品を考える

物流コストはネットショップ最大の壁

商品をお店で買うかネットで買うか。もちろん双方にメリットとデメリットがあります。では、お客様は何をベースに購入先を検討しているのでしょうか。

  • 実際の商品を見たいから実店舗で買う
  • 金額が安いからネットショップで買う
  • 家まで運んでくれるからネットショップで買う
  • すぐ欲しいから実店舗で買う
  • 商品が多いからネットショップで買う
  • 値切り交渉がしやすいから実店舗で買う

その他にも包装をして欲しいとか比較しやすさとか様々な判断理由があると思います。

この中でネットショップ利用者の頭に刷り込まれているもの、それがネットショップの方が安いです。

でもこれにはネットショップを仕掛けたモール側の嘘が多分に含まれています。配送費用が必ず掛かり総原価は高い為、ネットショップ側は顧客の思いに答えようと「利益を削って安く見せかけている」が正しい答えです。薄利である以上行き届いたサービスは実現できませんし、むしろ少ない労働力でどれだけできるか、生産性向上の改善活動で利益を捻出するしかありません。

私は変な信念があり商品と送料を別々にご案内する事にこだわっています。でもこれだとお客様がついてこないのも現実で、同じ商品を送料無料(本来は送料込み)として出品したところ売れ筋商品となった経験も持っています。この経験から商品とは別に案内される送料には【値上げ】のイメージがあるのだろうと推測しています。つまり、ネットショップで購入いただくハードルに【送料】が大きくかかわっているのです。

物流コストから考える売れる商品

送料が購入の足かせになっていると前段で触れました。逆から捉えると送料が見えない商品はこのハードルがなくなり購入しやすくなると言えます。

  • 商品代金が高く総額に含まれる送料割合が低くなる商品
  • 配送サイズが小さく低料金配送(メール便等)が可能なもの
  • 含み送料がわからない送料無料の商品

この3種は【金額が安いからネットショップで買う】というお客様の要望を後押しする『安く感じさせることが出来る』商品と販売方法です。

送料無料商品には組合わせ商品化して含まれている送料を見えにくくするというテクニックもあります。
具体例を記載すると次のような商品です。

売価:送料無料 4,000円 (定価1,000円+1,500円+2,000円=定価合計4,500円)

【内訳】
仕入掛率45%⇒原価2,025円
送料原価:600円
販売手数料10% ⇒400円
———-
原価合計:3,025円
利益:975円(利益率24.3%)

同じ利益率で提供していれば送料別の単品の合算と最終合計は同じですが、こちらの手法の方が割引かれたイメージが強く最後に送料が加算される送料別商品と比べ決定率が高くなります。

販売が難しい商品とは

送料の比率が高くなる商品はコンバージョン率が低くなる傾向があります。例外として、人気の品薄品はお客様の満足度とステータスが上がるため送料が加算されても「そんなに高くない」と自分を納得させるようです。つまり、自分のより良い姿を想像出来る商品については送料の印象を薄めることが出来ると言えます。そのためには、ランディングページと言われる縦に長い説明文で『私がこれを使ったら素敵になれるかも』と夢を膨らませていただく必要があります。

ここから、販売が難しい商品は次のように定義することが出来ます。

  • アイディア商品ではない日用品や消耗品
  • 低価格(1000円以下)の商品
  • 市場に潤沢にある商品

これらはどこでも買えて場所による価格差が大きくなく、むしろ追加で送料の掛かるネットショッピングの方が割高になるそんな商品です。
洋服やバッグなどファッションに携わるアイテムは『購入後の自分の想像』がしやすいため売りにくい商品ではありませんが、その中でも特徴のない低価格路線の商品は販売が難しいと言えます。

まとめ

配送サイズが小さく高額な商品であるスマホや時計などはとても販売しやすい商品と言えます。食器洗い用のスポンジなどは何処にでもあり送料が割高に感じるという点で売りにくい商品と言えるでしょう。
売りにくい商品は送料を含ませて利益の出るラインまでまとめセット組合わせを駆使し送料無料セットと命名して出品をすると最後の送料加算がなくなり購入障壁画下がります。

ちなみに、私の商品と送料を分けてるこだわりは取り扱い商材に低価格品が多い事と、上記の送料無料まとめセットなどはお客様に商品売価をごまかしているような罪悪感が生まれるからです。