EC業務のシステム化で実装したい機能①

EC業務のシステム化で実装したい機能①

外注費用と更新頻度(希望)から実装するシステムを考察①

有用なシステムが補助してくれる機能【受注管理 / 顧客連絡 / ピッキング支援 / 在庫管理 / 在庫更新】を除きEC業務を更新頻度で順位付けしてみます。

  1. SEOワード調査
  2. 価格調査
  3. 商品名や説明文のSEOワード入替
  4. 販売価格変更
  5. 出品商品の説明文作成
  6. モールイベントの対応
  7. 出品商品のLP作成
  8. サムネイル画像の作成
  9. 出品商品の画像撮影

私もよく騙されましたが、EC店舗をを運営する上で気をつけなくてはいけない事があります。

『商品ページ(LP)をどんなに良くしてもページを閲覧してくれなければ働いてくれない』

『サムネイルをどんなに良くしても検索上位に表示されなければ宝の持ち腐れ』

そうなんです。どんなにコンバージョン率が上がるネタを持っていてもたどり着いてもらえなくては意味がないのです。

モールによっても異なりますが、コンバージョン(※以降CVと表記)は良い商品で15%前後、標準で2~3%(※楽天ECC談)なのだそうです。1%が15%に上がれば受注数が増えて大喜びですが、価格を比べ易い現在のECモールでは利益率を下げないと高いCV率は望めないでしょう。逆にJANコードや品番など顧客が商品価格を比較検討する際に使うであろうコードを入れ、常に最安値の値付けをしていれば流入数は増えるという事でもあります。つまり、価格の調整だけで集客とCVが上がると言えます。

様々なモールの価格情報を提供してくれるサービスが高額である理由はここにあると推測できます。閾値を持たない自動価格調整(価格追尾)システムでは利益率は大きく下がりますし、赤字販売も大いにあり得ます。悪く言えばデフレの現況ですよね。こんな状況を嫌って【ネット販売禁止】という商品が増えている事はメーカーに近い人間ならだれでも知るところです。

この状況を打ち消すものはキーワード検索での流入【SEO対策】+【価格比較をしにくい仕掛け】しかなさそうです。

SEOワードの調査と最低価格調査のシステム実装を検証

この2つは出来れば毎日行いたいパーツです。価格の適用までしてしまうと、集客の見込める楽天スーパーセールサーチに出せなくなるなど不測の事態もあるので競争する商品としない商品は分けて管理していきたいものです。其々に実装可能か調べてみます。

SEOワードの調査

Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピング、Google  のサジェスト(検索第2ワード)はAPIで取得出来そうです。来店ワードはモールが提供してくれますので問題なし。でも、どの商品に対してどのワードで流入したかを調査管理する事は大変そうです。商品毎にワードを管理する場合、1,000アイテムで 1万レコード(10ワード/アイテムの時) になります。かといって、店舗全体で来店ワードを管理するとシステムの作り方次第では衣類のワードが掃除道具に使われる可能性を否定できません。

う~ん、ワードの扱い方はひとまず棚上げして、必要なワードの取得はできそうです。

ワードの差込も含めて、よく電話を掛けてくる業者さん達は100商品20,000円程度の価格を提示してきます。1,000商品で計算すると200,000円/月。これは作る価値がありそうです。

最低価格調査

Amazon、楽天市場についてはAPIで取得が出来そうです。その他のECサイトについてはよくわかりませんでしたが、この2モールが可能であれば、多分やり方はあるのだと思います。Amazonの場合は大口出品契約(4,900円)かアフィリエイトライセンスが必要なので全ての人が出来るわけではなさそうです。それでも約5,000円で出品も出来てデータも取れるとなれば安いもの。外注さんのコストは平均で40,000円/月程度ですから、外注コストを考えれば十分メリットがあります。

まとめ

SEOワードと最安値調査はAPIを使えば容易に実装できそうです。ワードの場合は収集後の【分析 / 評価 / 商品名などへの適用】を経て初めて効果が生まれるものなので使い方を踏まえて考える必要があります。

価格が高くても選んでもらう方法の考察

モールによって採用できる手段が異なりますが、方法はいろいろあると思います。大きな方向としては【サービスで差別化】【セット販売】【安心感の提供】でしょう。ただし、基本的に『集客につながる施策ではなく集客した後の施策』である事に注意が必要です。

サービスで差別化

顧客が価格以外のところを気にするシーンは下記内容が多いです。

  • 短納期:「明日使いたいけど間に合う?」
  • 書類利用:「○○○○で領収書を切ってくれますか?」
  • 大量注文:「○日までに○個必要なのだけど、数の確保できますか?」

それぞれに可能な事を明示しておかないといけません。価格比較ページから集客を狙うのであれば、商品名やキャッチコピーなど見える所にこれらの情報を記載する必要があります。商品名はどのモールでも検索の最重要項目です。

セット販売

価格比較のしにくい仕掛けであり、人気商品に育てると(他社と比較しようが無いので)高いCVと集客を同時に狙えます。頭の痛いところは2点。

  • 一般的な販売管理ソフトでは商品をSKUで管理するものが多いこと
  • 育てるのに時間が掛かること

ECでよく見る選択肢によるバリエーション販売は多くの販売管理ソフトで対応可能ですが、セットものとなるとなかなか対応するものがありません。ましてやセットものを選択肢で提供しようとした場合、選択の幅がかなり狭まります。私の使っているネクストエンジン『セット+選択肢』の販売スタイルも対応してくれます。ホント優秀です。

セット商品を人気者に育て上げるのにはとても労力がかかります。モールのイベントを利用して薄利で売上をかさ上げし、レビューを書いてもらいetc.  育った後は売上のベースになるので良いのですが、自社商品でない場合は【廃盤】でせっかく育てたベースが消えてしまいます。私はこれで大ダメージを被りました。楽天市場に限った裏技としては『出品URLの引継』という手段が取れます。あくまでも商品のマイナーチェンジの際だけ採用できる手段ですが一考の余地があり、システム化に伴い導入したい機能の1つです。

安心感の提供

webデザイナーさん達がよく口にするキーワードです。集客の後の接客に属します。普段の買い物でも話を聞いてくれ、商品説明をしっかりしてくれた売り場の方には「他が安いかもしれないけど、そんなに価格違わないだろうしここで買っちゃおう」と思ったりしますよね。これにはLPの作成が必要です。

まとめ

LPに関してはどこまでシステム化が可能か怪しそうです。やはり人の感情に訴えるパートのシステム化は難しいのだと思います。商品名などへの(納期等の)情報自動差し込み出品URLの引継ぎは具体的な設計に落とし込めそうです。

価格での集客も採用しながら価格以外の差別化も施す。そんな作戦を可能にするシステムが必要であると改めて強く思いました。