EC事業の利益率。ちゃんと計算してみたら恐ろしい結果が待っていた…。

EC事業の利益率。ちゃんと計算してみたら恐ろしい結果が待っていた…。

EC事業の利益率。ちゃんと計算してみたら恐ろしい結果が待っていた…。

利益計算ツールを作成したので実際の自社商品で検証してみました。

結果は超恐ろしい事に…。

計算の結果はこちら

■商品原価 + 送料 を原価として20% の粗利益で計算した場合

■商品原価 + 送料 を原価として30% の粗利益で計算した場合

■商品原価 + 送料 を原価として30% の粗利益で計算し、ポイント10倍を実施した時

30%確保しても最終利益 2%??? 恐ろしい…。

楽天市場の極悪ルール店舗負担の送料無料をどう乗り切るか

2020年3月から楽天市場では【税込み 3980円 で送料無料】という店舗に負担を強いるアホ施策が始まります。

もちろん店舗は利益を取らないと運営出来ない訳ですから、自社商品で検証してみようと計算した結果が上の画像です。

 結論:送料込みで原価を見て利益率30%が必要である 

お客さんからすると嫌かもしれないですが、これがEC事業の現実です。
ちなみにこの商品、120サイズで配送になるため商品原価と配送原価がほぼ同じ価格です。
この商品のECモール最安値は以下の通り

  • 楽天市場     : 1,397円
  • Yahoo!ショッピング: 1,438円
  • Amazon      : 2,258円

まぁ、約1,000円が原価なので ×1.3 して楽天市場の価格になったのでしょう。
これで1万円以上送料無料だったらやりようはあるのですが、3980円となると送料無料分まで購入いただくと配送費払ってほぼ0円利益です。

つまり、店舗は送料についても利益を乗せなくては商売になりません。

楽天おすすめの郵便局特別契約で第一宛120サイズの場合、1,065円
これに×1.3 すると 1,385円更にここに消費税が入るので 1,524円

店舗を真っ当に維持していくためには、商品売価にこの額が加算されるわけです。
楽天市場のアンケートによると、送料についての具体的な不満は以下の通り

  • 安いと思ったら送料で高い    :56%
  • ショップによって送料が異なる  :45%
  • 送料・ポイントなど要確認が多い :29%
  • 商品によって送料が異なる    :29%
  • 送料が高い・高すぎる      :26%
  • 送料無料の設定総額が高い    :25%
  • 店舗毎に送料が別々       :24%
  • 送料の計算が面倒        :22%
  • 送料がいくらかすぐにわからない :21%
  • 発送方法によって送料が異なる  :20%
  • すぐに送料の有無が分からない  :19%
  • 当てはまるものはない      :15%
  • 注文確定直前まで送料が不明   :14%
  • 注文後に個別に送料確認が必要  : 8%
  • 注文確定まで利用料金が不明   : 6%

で、この解決策が送料無料ラインの統一なのだそうです。

不満内容と楽天の施策を照らし合わせて考えると【全商品送料込み価格で設定しろよ!】【送料無料で送料が高いかどうか見えなくするぞ!】という事なのでしょう。『見える化』の時代に『見えない化』…なんなんでしょうねぇ。

これがお客様の為になるのかというのは以前の記事で記載した通り『送料2重取り問題』によってお客様の負担は増えると思われます。

まとめ

なんかねぇ、正直に商売したいのに『見えなくして、騙して』という様に楽天市場が動いているようで非常に悲しいです。楽天市場ってYahoo!ショッピングよりかなり真っ当ですよ?

Yahoo!ショッピングなんか、1,000円の商品が100円で販売されてて購入手続きすると送料3,000円で計3,100円とかザラにありますもん。

そこいくと「送料は原価をそのまま提示させていただきます」という店舗が楽天市場ではどれだけ多い事か。
こういったモール内の店舗の健全さをPRすればよいのに何故に店舗が騙さなきゃいけない方向に舵を切ろうとするのでしょうかね。

前にも記載しましたが、今後この方向性の変更が多ければ『楽天市場の崩壊』あり得ると思っています。
アンテナと窓口を数多く作っていきましょう。