ネットでも売れている某メーカーさんから出てきた【国内縮小】の話
- 2019.12.21
- ひとりごと
- Amazon, EC事業, Wowma!, Yahoo!ショッピング, ネットショップ, 価格調査, 出品, 労働賃金, 情報収集, 楽天市場, 海外販売, 給与, 輸出
ネットでも売れている某メーカーさんから出てきた【国内縮小】の話
EC業に携わる国内販売をメインにしている店舗としては結構イヤで痛い話を聞きました。
タイトルの通り「今後は国外を主要マーケットとして考えた方が良い」という趣旨の話です。
日本よりも海外の方が利益が出る
話は国内の商品売価変動からスタートしました。
某メーカーさんの作っている低価格帯の炊飯器。この価格帯がメーカーからの卸値に近い所まで値下がりしているという事を伝えました。
その回答が「国内はもうやめて海外に目を向けた方が良いよ」というものでした。
理由をお聞きすると、商品売価が異常な値下がりをしていくのは日本だけに見られる傾向で海外だと定価の20%OFFでかなり値下げされた商品なのだそうです。
日本は【楽天スーパーDEAL】【PayPayモール】なんかで20%OFF(ポイント還元含む)当たり前ですもんね。常時この価格で対応してセールでさらに値下げ【50%OFF】
「おいおい元の原価率どんなだったんだよ」って普通だったら思う所なんですけど、日本人はこの感覚がすでにマヒしていて「日本市場にはうまみが無い」のだそうです。
利益があるから次の投資が出来る。
当たり前の事なんですけどね。
日本での販売よりも海外での販売の方が利益が2~3倍でるそうで、国内で販売していたら倒産すると仰ってました。つまりはそれくらい利幅が無いと。
インバウンドがどうだとよくニュースで流れますが、GDPで日本より下位にいる東南アジアの国の方が日本へ旅行へきて「日本は物価が安い」と言いお買い物をしていく。
確かに、そう考えると異常な世界ですよね。
日本国内はモノ余りだから売価が以上に下落する
「なんでこんな市場になっちゃったんでしょうかね」とお聞きしたところ「ものが溢れてるからでしょう」との事。
まぁ確かにタピオカには財布のひも緩む訳だからね。本当に欲しいものだったら割引になっていなくても買うのかもしれないですけど、私はこれには多少の異論がありまして『煽られた無駄な競争』が大きな原因だと思っています。
価格比較する方多いですけど、品質比較する方少ないでしょ?
ネットの世界でも商品を使ってみて比較しているサイトってメチャクチャ少ないです。この手のレビューはYouTuberさんが得意ですけど、そもそも使い勝手って『その人にとって』の使い勝手だから他者の意見がどれだけ自分にマッチするかわからない。ラーメン屋さんなんてこれがよくわかる例ですよね。グルメサイトの点数が高くても食べてみると味が濃すぎで美味しくないとか、店が汚いとか書いてあって評価低いけど、行ってみたら味は超うまかったとか。何を胆として判断するか、どう感じるかが一人一人違うのに他人の評価がどれだけあてになるのかって正直思います。
それなのに、多くの購入者さんがあてにする品質情報が商品のレビュー。これでその商品の品質を知った気になって、高品質の商品が低品質の商品と価格比較されて負けてしまう。
店舗側はこれに対抗しようと販売するために値引きを行う。
まぁ、売る側も買う側も商品の扱いに手を抜いていると言うか『右から左に流してマージン幾ら取って』しか考えていない。
売り場を提供するAmazonや楽天なんかは更にこの傾向が強いから商品が売れるように【値引き】を前面に打ち出す宣伝攻勢をかける。
結果的に日本では【良い品が安く買える】状態が出来てしまい、良い品を提供してくれるメーカーが先細っているのだと思っています。
あらゆる方面から見て健全ではないですよね。
『営業力はないけど腕はいい』そんな職人どんどん淘汰されてます。
職人兼社長さんが高齢になってきたという要因ももちろんありますが、腕のいい職人さん達は大体細く長く続けていこうとしてました。
でも、最近は「いついつから仕事一切しません」という製造会社さんがあります。お聞きすると「いくらにしろとかそんな交渉が多くてもう疲れた」との事。
腕のある職人さんと腕の無い職人さんの商品が価格で比較されてる現状が垣間見えますよね。
生き残っている腕のいい職人は営業力も併せ持つ方だけ。本当に良いものが無くなっていく気配がしませんか?
実は給料も海外の方が高い
ECだけではなく、給与も日本より海外の方が高くなってきているそうです。
欧米相手だけの話ではありません。東南アジアにおいてもです。
食費等の費用が安いから相対的に余剰資金が生まれ、これが消費に回り更に経済を潤す。そんな状態になっているため給料は右肩上がり。
全ての職業でというわけではないでしょうけど、IT系の方の場合はタイで日本の4倍の給与をもらえている方もいるそうです。
「日本に出稼ぎに来ている外国人労働者」なんて上から目線で言っている人いますけど、これからは日本人が出稼ぎに行く時代が来そうです。
EC業の取れる手段は2つ
- 海外への販売チャネルの充実
- 国内販売商品の幅を狭め品薄状態を作り出す
- 販売にかかる経費を圧縮する
方法2 は販売会社が出来る事ではないのでメーカーの方策になります。
表題の【国内縮小】とはこのことです。
これで国内の売り上げがゼロになったとしても、海外で稼げれば利益的にはそう大きなダメージではないのだそうです。
正直いって、EC店舗側としては超困ります。ただでさえ欠品ペナルティーが強くなってきている今、国内流通量を狭められたら「どんだけ資金積んで在庫確保しなきゃならないんだ」って話です。
そうなると、実質的にわれわれ店舗は海外販売チャネルを強化するか経費圧縮の道しか残っていません。
ちゃんとした価格で流通するだけで回避できる話なんですけどね…。
まとめ
楽天市場の送料無料強制をはじめ、国内市場はまだまだ値下げしか見ていません。
その為、ECは更に我慢比べのチキンレースになっていきます。
何とか活路を見出して生き残った先にはブルーオーシャンが待っているかもしれません。
うちも国内縮小して海外に目を向けなきゃと真剣に思ってます。
頑張りましょう。
-
前の記事
nohup書いてるのにSSH接続を切るとLaravelプロジェクトが何故か落ちる 2019.12.20
-
次の記事
販売赤字が出ないようにチェックする【簡易利益計算ツール】を作ってみた 2019.12.23
コメントを残す