商品の品質について考察する

商品の品質について考察する

商品の品質について考察する

商品の品質。
ISOを取得したり『品質管理』なんて部門を持つ企業さんなど良く見聞きする言葉ではあります。

でも「実はこれほど発信者と受信者で意思疎通を出来ていない言葉もない」と思いちょっと考えてみたいと思います。

そもそも品質って何?

Wikipediaさんに聞いてみました。

JIS Z 8101では、1999年まで、品質を「品物又はサービスが、使用目的を満たしているかどうかを決定するための評価の対象となる固有の性質・性能の全体」と定義していた。1999年の改訂の際、この定義は削除された。

ISO 9000では、「本来備わっている特性の集まりが、要求事項を満たす程度」と定義されている。

品質工学では、「品質とは、品物が出荷後、社会に与える損失である。ただし、機能そのものによる損失は除く」と定義されている。

一般的な英語でqualityという意味は日本語の品質より幅広く、高級や上質、すばらしいという意味がある[1]。カタカナ英語としてのクオリティはその意味で使われる場合が多い(例として、製造上の要求事項を満たしており品質は満たしている低質な紙でも、クオリティーの低い紙と表現されるなど)。

さすがwikiさん。的確に表現してくれていました。

発信者(工場や店舗)の考える品質をザクッとまとめると以下の様に判断できます。

  1. 製造/販売側で言う品質とは『使用目的を満たせるか否か』
  2. 価格に合致した商品レベルを保持している

でも受信側(顧客側)は【高級/上質/すばらしい】と誤認識をしている方が一定数います。
またそういう人に限って安価な商品を購入したりするんですよね。

こういう事(言葉と意識の違い)が『商品クレーム』の根幹にある様に思うのです。

現在のネットショップの課題

価格を比べ安く、売れてる商品を表に出す。

この検索ルールは楽天市場、Amazon、Yahooショッピング等様々なモールて展開されています。

価格の安い商品(価格を安くできる商品)ってどんな商品か考えるとこのルールに大きな疑問が生まれます。

  1. そもそもの原価の低い商品 ⇒高品質でもクオリティは低い
  2. 売れ残りの処分品 ⇒在庫過多になるほど売れてない
  3. 集客目的のセール品 ⇒収益を上げる他の道への導線

項目1は、高クオリティを求めてる方からすると、きっと満足しないでしょう。
項目2は、費用とクオリティのバランスが最も顧客優位となりますが、スポットを当てられません。
項目3は、サプリメントなど1回目を安く売って囲い込む作戦に利用される手法です。

値段は高いけど、値段以上のクオリティで作られたこだわり商品。

そんな商品はとても沢山あるのですが、残念ながら見つけられる位置に来ないのが現在のネットショップの大問題です。世間に埋もれている上質な良品はネットショップでもやはり埋もれたままです。

埋もれている上質な良品を掘り起こす方策は?

嫌な結論ですがモールがルールを変えない限り『地道な告知とその継続』しかありません。

売れなくても商品を出品し続ける…。

短期的な店舗運営としては【悪手】ですよね。
だから余計に『値段以上のクオリティで作られたこだわり商品』が売れないわけです。
そして、必要な機能を搭載した良品質の低クオリティ品がネットショップの商品の主戦場となっているのです。

商品品質に満足を頂ける方法は最適なマッチングが不可欠

私は「商品と顧客のマッチングさえしっかりしていれば、どのレベルの商品であっても満足されない商品なんてない」と考えています。

問題は現在の検索アルゴリズムが、このマッチングの足枷になっている点です。

  • 高クオリティを求める人の目に安価な人気商品が映り「売れてるって事は上質なんだ」と誤認識をして購入。
  • 機能を満たせればいいのにソコソコ価格の張る人気商品がアナウンスされ購入。

これ、人気商品をアナウンスしただけでマッチングではないですよね。多分、両方とも顧客満足は低くなります。

そう考えると、自身の求めるレベルの商品を購入しなかった場合は顧客満足が低くなるわけですから「顧客レビューって意味ある?」と思ってしまいます。

この記事を書こうと思った理由

実は、クオリティに拘る工場の倒産や廃業が激しくなっています。

その理由の中に、安い商品しか売れないという工場の嘆きがありました。

どこのメーカーからも『ネット販売禁止商品』として連絡を受けるものがあるのですが、検索してみるとAmazonに出ていたりします。それも超低価格で。

上に記したように、売れている商品が注目されるアルゴリズムが作られているので、出品者の少ないネット販売禁止商品はきっと売れ残ったのでしょう。だから価格を落としたとは思いますが、価格を調べやすいネットでは【販売されている価格=販売できる価格】ととらえられる事も多く、この事実をもって買い付けに来るバイヤーが多いのだそうです。

そう考えると、デフレ脱却してないですよね。

まとめ

とりとめのない愚痴になってしまいましたが、商品の価格について、検索のアルゴリズムについて、良い商品の探し方について、現在のネットショップにはまだまだ課題は山積しています。

企業なので利益の追求は当たり前ですが、製造してくださっている工場から利益を踏んだくって行く今の環境ってどうなのかな。と疑問を持っての投稿でした。

低価格に合わせれば顧客からクオリティに文句を言われ、かといって上質な商品を作ってもだれも買わない。

ネットショップが顧客マッチングをしっかり行える日はいつ来るのでしょうか。
AIさんに大量の個人情報渡さないといけないから個人情報保護法の観点から無理でしょうかね。

ちょっとブルーな記事でした。