某コンサルさんに反論。「単語リストはとても大切だと思います」

某コンサルさんに反論。「単語リストはとても大切だと思います」

某コンサルさんに反論。「単語リストはとても大切だと思います」

某コンサルさんから届いたメールがあり「本質は正しいと思うけどその作業量はどこから捻出するの?」とデッカイ反論があったのでその辺整理してみたいと思います。

某コンサルさんから届いたメールの概要は以下の通り

  • 商品を売る為に単語を追うと売れなくなるよ
  • ページを見た人が想像を掻き立てられるような文章を書こうね
  • Googleでも単語の羅列はペナルティ対象だよ
  • 単語の羅列は見た目も悪いので離脱が増えるよ

うん、仰る通りだと思いますよ。
でもね、1商品毎にちゃんとした文章を書く作業どうやってやるかが問題ではない?

作業候補者は3名

  1. 自力でやる
    集中して実行して1日30件くらい、HTMLまで操作するなら15件程度が限度。1万アイテムあるとこれだけで1年かかる
    => 現実的とは言い難い
  2. 外注に出す
    作文スキルが社内に蓄積されない。また、外注の質によって精度にバラつきが出る。
    => 外注依存の運営から抜け出せない
  3. 社員を増やす
    最も効率は良いがコストの増加が最も大きい。店舗売上の上昇率にもよるが上手く回れば最高の投資。
    => 上手く回らなかった時は最大の負債になる

どれにも一長一短があるわけです。
だからね、某コンサルさんの仰ることはもっともだけど「もう少し現実に寄り添ったら?」と思ったわけです。

私の思っている問題点

繰返しますが、某コンサルさんの仰ってることは正しいと思います。

ただ、そこに至る際に否定している【単語の羅列=不正解】とうい認識が私の思考と大きく違います。

例えばうちの取扱商品の場合、親会社の商品が約2500アイテム程度あります。
この商品達は大体3年(早いものでは1年)で廃盤となってしまいます。

「商品の入れ替えで利益率の低下を防ぎ需要を喚起する」と言う営業手法はメーカーや卸店で採用される常套手段です。なので、うちと同じ様な店舗は沢山あると思います。

さて、2500アイテムすべてに最適な紹介文を設置するとして、1日当たり何件書けば良いか考えてみたいと思います。

1日当たり何件記載すればまわせるか

計算を楽にするため、総アイテム数を3000として計算してみます。以下、計算条件です。

  • 毎年、商品の1/3は廃盤となる
  • 毎年、全数の1/3が新商品として登場する
  • 商品の総数を3000アイテムとする (※計算しやすい様に)
  • 稼働日数を 246日とする
■ 13件/日 の作文で 1年で3000アイテムを書き終える
3000÷246 = 12.195件
■ 5件/日 の作文で 1年で入替分1000アイテムを書き終える
(3000÷3)÷246 = 4.065件

1日5件、行けそうじゃん。と思いますが「専業でこれだけできる環境があって、情報変更(例えばキーワードの変更等)がなければ」と条件が出てくると思います。

その他にも、商品仕入れ/顧客連絡/店構えの変更/発送業務etc. 私のようなひとり店長はこういった業務をすべて抱え込むので「社員が余ってるお店はいいねぇ~」と嫌味言いたくなります。

実際にはウチの取扱できる商品の総数って1万以上なので【×3.3】。無理っす。

商品説明の作文は検索対策としての一面はもちろんありますが、離脱対策の側面が強いと言えます。
だって、多くの店舗が楽天やAmazonの中で勝負をしていてGoogle検索を勝負の場にしてないでしょ?
となれば、離脱を考える前に集客を考えるべきでは?

「じゃぁどうすればいいのさ」を考える

まぁ私がシステム作り出した理由の一つでもあるのですが『作業を進める商品に優先順位を付ける事』が最大の要だと思っています。

  • 出品している商品のすべてが売れてますか?
  • 全ての商品が集客に役立ってますか?

ECは良くも悪くも『比較』されて購入されます。
それは、価格だったり商品画像だったり商品の説明だったり、様々な要因で比較がされます。

うちもそうですが、集客に役立っている商品と全く集客していない商品がやっぱりあります。
そして、どの商品が集客しているかを調べる事は結構な重労働だったりします。
そもそもモール毎に表示方法違うし、情報提供してくれるモールとしてくれないモールあるし。
そんな状況なので、真っ当に分析しようものなら作業に時間が掛かって店舗運営が疎かになります。

なので、本当は実行したい「売れる商品だけ集めたお店」を作る事はとても困難です。
本来コンサルさんにはこういう『分析業務』とその上での『戦略策定』を担ってもらいたいのですが、こういうコンサルさん残念ながら存在しないんですよね。

「弊社のアプリではこの分析業務を快適に!」と言いたいのはヤマヤマなのですが、商品毎の集客力については実装していません。
何故かと言うと、キーワードの入れ方やモール側の検索ルール変更で変化が激しく単純な数値を判断の『アテ』にしていいか悩むからです。

商品情報を充実をどう実現していくか

「じゃあ結局どうするのさ」
私の答えは次の通りです。

  1. まずはキーワードを網羅した状態で出品する
  2. 販売実績の付いた商品から順次、文字羅列を文章に切り替える
  3. ただし、文章化した際に採用されなかった「乗せた方が良い」と思われるワードは羅列で残しておく

言葉で解説してしまえば『優先順位を付ける』ですが、『どうつけるか』が課題です。
ちなみに、私は今箇条書きの通り「売れたものから」を優先順位にしています。

「売れたもの」は必ず次の2つの内1つの要素を持っています。

  1. 検索結果で目立った
  2. 他商品や同商品の他店売価と比較して優位だった

1は「どのワードの検索で?」が重要になります。
2は文章化の有無が結果に大きな影響を与えない可能性があります。

まずは必要な単語が商品の検索対象エリアに網羅されている事

必要条件、十分条件なんて数学の統計学でありましたが、まさにこれが重要です。

某コンサルさんの仰る「単語じゃないよ文章だよ」というのは【単語】という必要条件が満たされたのちの話で、最低限の必要条件を満たすという話ではないと思います。

まずはワードが入っていないと検索に掛からないのですから【必要な単語を網羅する事】はとても重要です。
私の選択はこの作業をシステム化で補ってやろうというモノでしたが、Excelに単語リスト作って全部入れろでもいいと思います。

重要なのは3点。

  1. Google等の検索数がわかる   :使われない文字を入れなくて済む(不要な文字数消費の防止)
  2. 自店舗の流入数がわかる     :他店より自店舗が目立っているポイントが分かる
  3. 情報を蓄積していくことができる :時/季節による変化が分かる

これを条件や関連付けで必要な商品に単語リストとして持たせることで最低限の【単語の網羅】が実行できます。

後は何処かで目立って注文が入った商品に対して『文章化』という適切化を行えばいいわけです。
結局『単語』からは逃れられないのがECの現実。

【単語の羅列=不正解】ではなくて【単語の羅列=最低ラインの正解】だと思います。
まずは検索にかかる状態で出品。その後に調整が実行可能で現実的な作業ラインでだと思います。

例えばうちのお店の例

この画像は『フライパン』というワードとそのサジェストを追ったワードの検索結果です。

例えば、2年前には多かった『フライパン セット』という検索の流入数が今年は1/3になっています。
これは弊社の主力だった商品が廃盤となってしまい、この検索パワーがごそっと抜け落ちたためです。

一方で、Googleで検索数の多い『フライパン 鉄』では集客できていない事も良くわかります。
これはキーワードがそもそも入っていない可能性があり、テコ入れが必要かもしれません。

こんな感じで、自店舗にどんなワードが必要なのか集客結果やGoogle検索総数等を比較しながら単語に重みを付けます。そして、そういったワードをグループ化して商品カテゴリに紐づけると「極力漏れ落ちを防いだ単語リスト」が完成します。
まぁこの結果見ると「1年間システム作成に掛け過ぎて店舗に手を付けてこなかったなぁ」と反省しきりです。

ただね、この紐付けが結構大変なので今AI化できないか検討してたりして、両立に悩む日々はまだ続きそうです…。

まとめ

単語を追う事は決して悪ではありません。EC事業者が最低限行うべきことです。
更にその上を目指す為には、某コンサルさんの仰るように文章化というステップが必要です。
顧客視点という論点だけではなく、楽天に嫌われなくてもGoogleに嫌われるのは「いい事」とは言えませんから。

ただ、これをより効率よく実行するためには『優先順位付け』が必須です。
そして『優先順位付け』には様々な指標が必要になります。

また、自店舗に適した単語リストが存在しないとそもそもの『単語網羅』すらできません。
なので、Excelでも外注でもシステム化でも何らかの手段で【単語リスト】を作成する必要はあると思います。

さぁ、今日も一日頑張りましょう!